ようこそ。

d0084170_10301913.gifようこそ、この物語たちは、私の光のソースです。
エネルギーを吸い取られますからご用心して、まずいと思ったらすぐ読むのをやめてください。
物語には、光のエンディングが存在します。どうしても納得のいかない物語は、どうぞ貴方の手で書き直していってください。そして見せてくれたら、嬉しいな。

あえて繰り返そう。
この物語は、私の中の光です。
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# by nmeg | 2013-12-31 00:00 | 透明  

ソース・オブ・ダークネス

暗い、闇の底のその地下に、無数の蠢き囁く者たちがいる事はすでに常識だ。
彼らは絶えず、上の上のそのまた上に住む、心に鈍い重石をつけ、分厚い覆いを被せた醜い生き物達に焦がれるあまり、いつかすり替わってやろうとニタリと笑いながらすごしている。
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蠢き囁くものたちは、通常地下室の一番暗い闇から現れて、エレベーターがある空間から地上に上っていく。

エレベーターはそもそも、動くのが苦手なものが頻繁に使うので、すり替わりやすいのだろう。


数年前、捜査の為にエレベーター内部で過ごしていた時期に、とある者が

「昭和52年代に造られたエレベーターが、一番心地がよい」と、

ゲシャゲシャと何か食べ残しを食べているような音で笑いながら教えてくれた。
フランスあたりの奴等が煩く出しゃばったこの年は、各地で不作が続いたそうだ。

ガラスがふんだんに使われたエレベーターには、身体をピリピリと焦がす結界のようなものがあるから好んでそれを使うものはいないそうだ。

確かに、駅構内に造られるエレベーターを見れば、その対策の効果が見られる。
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# by nmeg | 2008-03-21 12:02 | 漆黒  

黄金

黄金の渦に飲まれた。
ほんのり笑顔の苦悶の表情。

黄金の渦にどんどん飲まれていく。

もういらない
もういらない
もう逃げられない。


飲まれれば飲まれるほど
逃げられない。

逃げた先に
緑の丘や
虹色の空が
あることは忘れた。

もう黄金色に輝く蟲が
体中に
いや
体の中からも

あふれかえっているd0084170_16465711.gif
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# by nmeg | 2007-11-20 16:47 | 砂漠  

もう涙も枯れはてた

もう、涙は枯れ果てた

身動きすら取れない

どこかへ行ける道が あるでもなし

ただ、足を引きずり
暗い赤色の暗雲立ち込める丘で
ゾロリ ダラリと歩く行列に 附いて行く

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もう、後戻りは出来ない

それには遠くへ 来すぎてしまった

どこでもない場所へ ただ往かん

重い手を ダラリと提げ
暗い濁った瞳に光 弱く宿して
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# by nmeg | 2007-10-10 15:12 | 漆黒  

くろ

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私は警戒した。
蠢く者が そこにあったからだ。

なんの音も立てなかった
息も、衣擦れの音もしない
ただ、蠢く者がそこにあるという事だけが 解かった。

蠢く者は、息を殺してこちらの様子を伺っているようだ。

私も同じように息を殺す。

じっくりと、めいいっぱい、零れ落ちそうなほど瞼を見開くが、
闇色しか、そこには見えなかった。

朝が来て、夜が来て、そしてまた雨の朝を向かえ、雷が落ちても
この場所に光が届くことはなかった。

どこからか
生暖かい 温度か、風が、ぞろりと肌をなであげる。

鳥肌が立つ。
これは、奴の臭い息だろうか。
もしかしたら、虚無とか、餓鬼とか、そんな得体の知れないものではないだろうか。
それならば、逃げねばなるまい。
私は、引きずるように長い、私の黄ばんだ服の裾を、のっそりと時間をかけてたくし上げる。

奴はじっと、こちらを見ている。

ふと、奴は腰を屈めているような気がした。
短距離走のスタートランナー
または、獲物を狩る肉食動物

そんな格好をして、こちらに、今、まさに飛び掛らんとする奴が見えた。

私は怖気づいて、今まで苦労してたくし上げた裾元を、危うく手放しそうになってしまった。

そこからはもう、私が闇か、闇が私かも区別がつかなくなるくらいの時間、じっとしていた。




どれくらいこうしていただろうか。

朝が来て、夜が来て、そしてまた雨の朝を向かえ、暗雲立ち込める外は、雷雨のようだ。
不思議と飢えも渇きも、感じはしなかった。
恐らく、私自身が、それを満たす 『食料』 だからだろう。


私は、音を立てずに、出口があると思われるほうににじり出す。
ゆっくりと、慎重に、じっくり時間をかけて、小指を開いて、また縮める

その距離分づつ、移動を繰り返す。
一時間に5ミリは動けているだろうか

生ぬるい風が、幾度も私の肌をぬらりと舐めた
そのたびに、移動をやめ、座り込み、もうここまでと倒れこもうと思った

音を

音を立ててしまおうと

叫びを

叫びをそこら中に撒き散らしてしまおうと

気が違えたら楽になると、幾度も思った

しかし私は歩みをやめることも、音を出すこともしなかった。

ここから出たら、のどを潤す美しい朝露
足を和らげる、緑の海原
新緑の中の静寂 泉で体を清め
そこに成るブドウで、飢えを満たす


そんな当たり前の日常に 帰ることを決して諦めてはいなかった。

外からは、ふくろうの声が聞こえてきた。
すでに外も、漆黒の闇に包まれているのだろう。
私の記憶が正しければ、今宵は満月だ。

狼の遠吠えすらにも、無き縋りたくなるほどの孤独を感じる。

もう、目は閉じているのか、開いているのかすらも解からない。

もし目が閉じているのなら、このまま眠りに落ちてもいいかもしれない。








気がつくと、私は床に倒れていた。




今までの、どの恐怖も、この時の恐怖には及ばない。






私は生きているのか、死んでいるのか、
右足は、左手は、目は、声は、


何もかも、無事である保証は無く、確かめようもまるでなかった。


暗闇に蠢く者のほうに目を向ける。
あたりには何かがいる気配は感じられなかった。

むくりと半身を起こす。

初めて大きく深呼吸をした。


かび臭い、いつもの地下室の匂いが、鼻腔に届く頃には、私は声を上げた笑っていた。

助かったのだ。

助かったのだ。

ついに、あの暗闇に蠢く者は去っていった。

そう感じたら、急に腹が減ってきた。
私は、そのばに立ち上がり、出口を探し始めた。


さて、出口は、どちらにあっただろうか。


暗闇を、手探りで移動する。


ふと、頬を・・・・・・、生暖かい風が、どろりと撫でた。

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# by nmeg | 2007-08-29 13:17 | 漆黒  

あか

d0084170_1582920.gifあかい

あかい

あかいいろが

わたしのくびを

つたって

いのちの

ほうまで

おりていく

わたしのことを

見守る大観衆は

歓声とも嫉妬ともつかぬ

奇妙な声を漏らす

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私はその

くちびるからこぼれる

あかいいろに

問いかける



私から離れてどこへ行くのかと



あかいいろは答える

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ここではないところならどこでもいいさ


もう


おまえには



期待しない。
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# by nmeg | 2007-08-02 14:58